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7月11日(土)新宿バルト9での公開記念舞台挨拶レポート

  • 本レポートは、物語の展開や演出に触れる部分がございます。
2026年7月10日に公開された『死亡遊戯で飯を食う。44:CLOUDY BEACH』。
その公開翌日となる7月11日、新宿バルト9で公開記念舞台挨拶が開催されました。
会場には、幽鬼役の三浦千幸さん、永世役の永瀬アンナさん、白士役の伊藤静さん、そして上野壮大監督が登壇。本稿では、本作制作の裏側やアフレコ秘話が語られた舞台挨拶の模様をお届けします。
公開記念舞台挨拶はMC・松井佐祐里さんの呼び込みでスタート。まずは三浦さん、永瀬さん、上野監督が拍手で迎えられながら登壇しました。3人とも寒色を基調とした衣装で登場すると、三浦さんが「なんで監督まで寒色なんですか?」とツッコミ。上野監督は「合わせにいきました(笑)」と冗談で返し、会場は和やかな空気に包まれました。
さらにMCから「幽鬼と永世だけでなく、白士との関係性も重要な作品です」と紹介されると、サプライズで白士役の伊藤静さんが登場。「うっかり来ちゃいました(笑)」と笑顔で挨拶した伊藤さんにも、大きな拍手が送られます。白士の弟子である幽鬼役・三浦さん、永世役・永瀬さんに挟まれる形でステージに立ち、作品さながらの関係性を思わせる並びとなりました。
上映直後ということもあり、「ご覧になっていかがでしたか?」というMCの問いかけには、観客から大きな拍手が。三浦さんは目を潤ませながら、「皆さん、いろんなものを受け取ってくださったんじゃないかなと思います。まだ整理がついていない方も多いのかもしれませんね」と、作品の余韻を噛み締めるように語りました。


続いて、『クラウディビーチ』制作についてのトークへ。
本作がTVシリーズの中に含まれる形ではなく劇場上映という形になった経緯について、上野監督は「当初はTVシリーズの中で『クラウディビーチ』まで描く予定でした。ただ、シリーズ構成を考える中で全12話では駆け足になってしまうと感じ、あと3話分ほしいとお願いした結果、この劇場上映という形になりました」とその一端を明かしました。
また、「劇場上映だから」と意識して映像を作ったわけではないとのことで、「制作中も最終的なフォーマットが決まっていなかったので、TVシリーズ同様、この世界を淡々と積み重ねることを大切にしていました」と振り返りました。
ちなみに、TVシリーズから続投となったオープニングテーマ「¬Ersterbend(ノットエルシュテルベント)」、エンディングテーマ「祈り」については、「今回は『クラウディビーチ』までを一つの物語として締めくくりたかったので、その流れを大切にしました」と、その理由についてコメント。
一方で、劇場上映が決まってから特にこだわったのは音響面だったそうで、「映画館では後方のスピーカーも活用できるので、音響監督の小沼(則義)さんと細かく作り込んでいきました。結果として、5.1chでダビングを行ったので、座る席によって聞こえ方も変わります。叫び声の迫力なども含め、ぜひいろいろな席で体験していただけたら」と明かしました。
その後、話題はキャスト陣のアフレコへ。
幽鬼を演じた三浦さんは、「収録自体はTVシリーズから地続きでした。ゲームの設定を毎回しっかり共有していただきながら収録を進めていましたが、幽鬼が人間として成長するためには感情の弱さも必要だと監督からお話しいただき、その部分を大切に演じました」と振り返りました。
永世役の永瀬さんは、「小沼さんから『原作はまだ読まないほうがいい』と言われ、台本だけで収録に臨みました」と当時を回想。「収録はTVアニメ3話分ほどありましたが、永世は早い段階で退場するので、『もっと出番があると思っていたのに……』という気持ちもありました。でも3冊目の台本を読んでようやく彼女の思いを知り、自分が永世役に選ばれた理由が分かった気がします」と語りました。さらに、「最後の幽鬼との戦いでは、『どうして自分が負けるんだ』という悔しさや悲しさを前面に出しました」と、役作りへの思いを明かしました。
上野監督は、永瀬さんの話を受け、そのクライマックスについて「収録時点ではアクションを実寸尺で描いていましたが、小沼さんと相談し、感情をより際立たせるためにスローモーションへ変更したんです」と演出意図を告白。
そして、白士役の伊藤さんは、「TVシリーズ最終話の収録が終わったときに、『次に登場する時は、酒を飲んで愚痴をこぼすシーンだから』と言われていたんです」と笑いを誘いながら振り返ります。ところが、実際には弟子同士が壮絶な戦いを繰り広げる物語だったことに驚いたそうで……。
ただ、伊藤さんは「自分と二人の収録の時間がズレていたので、戦いの様子は見ていないんですけどね」と驚きの告白。すると、永瀬さんから「伊藤さんだけ入り時間が遅かったですよね」と話が振られ、上野監督も「たぶん小沼さんが、あえて見せないようにしていたんだと思います」と補足しました。
その上で、伊藤さんは、「幽鬼から、どちらが残るべきだったと思うか問いかけられる場面では、どちらにも受け取れるし、どちらとも断言できないようなニュアンスを意識しました。白士はこれまで感情をあまり表に出さない人物でしたが、今回は揺れ動く感情を見せてもいいというディレクションをいただき、悲しみなのか、苦しみなのか、それとも別の感情なのかを断定しないよう演じました」と収録を振り返りました。
MCから再鑑賞時の注目ポイントについて問われると、伊藤さんは「真熊さんはどこへ行ったの?」と意味深な一言。上野監督も「島のあちこちに落とし穴がありましたが、いろいろ仕掛けています」と含みを持たせます。
三浦さんは「ゲーム終了後に聞こえる子どもの声にも注目してほしいです。誰が演じているのか、ぜひ当ててみてください」とコメント。上野監督も「分かった瞬間、鳥肌が立つと思います。後方の席のほうが聞き取りやすいかもしれません」と語りました。
永瀬さんも「音やガヤ収録にも本当にこだわっています。いろいろな方向から声が聞こえてくるので、そのあたりも楽しんでいただきたいです」とアピールしました。
さらに上野監督は、「派手なアクションだけでなく、スタッフ一人ひとりがものすごい作業を積み重ねています。例えばTVシリーズ第1話で使用した炎の3DCGは制作に半年かかり、5秒の映像を作るだけでも数十時間のレンダリングが必要でした。今回は同じクオリティを約60秒分制作していただいたということは、つまり……。3Dチームには本当に頭が下がります」と制作現場の苦労を明かしました。

最後に三浦さんは、「この作品にはたくさんの仕掛けが詰め込まれています。TVシリーズを踏まえて『ここにはこういう意味があったのかな』と考えながら見ていただけるとうれしいです。ラストシーンは演じていて本当に苦しかったですが、何度も劇場へ足を運んでいただけたら、その思いも報われる気がします」とファンへメッセージを送り、大きな拍手の中、公開記念舞台挨拶は幕を閉じました。

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