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【レポート】第1話世界最速先行上映会

2025年12月21日、池袋HUMAXシネマズにて「TVアニメ『死亡遊戯で飯を食う。』第1話世界最速先行上映会」が行われた。大阪・名古屋に続く東名阪ツアーの最終地となった本イベントは満員御礼。第1話の上映を終えたばかりの観客を前に、幽鬼役の三浦千幸さん、監督の上野壮大さん、プロデューサーの香山貴亮さんの3名によるトークショーが行われた。

トークショーではまず、アフレコの現場について語られた。第1話は60分という長尺での放送となったが、アフレコは2回に分けて収録。三浦さんは「キープ時間をいっぱいいっぱい使いました。早く帰れたらラッキーというぐらい、毎回最後まで時間を使って録りましたね」と振り返った。死生観の薄い、存在が曖昧なキャラクターである幽鬼をどう演じるか——その指針となったのが、上野監督と音響監督の小沼則義さんから送られた「幽霊っぽく」というディレクションだった。「普通だったら戸惑う指示だと思うんですけど、腑に落ちました」と三浦さん。このディレクションは第2話以降も幽鬼を演じるうえでの演技指針の一つとして機能し続けたという。

収録に先立ち、上野監督はゴーストハウスに参加するキャストに、あるものを手渡していた。そのあるものとは、「キャラクターたちの生きる理由が書いてある手紙」だ。三浦さんは自分の分を受け取った瞬間、思わずディレクションブースに向かって「これで合っていますか?」と確認したという。そのときのブース内の様子を、香山さんは「全員悪い大人がニヤニヤしていましたよね」と笑いながら振り返った。「ゲーム運営サイドかと思うほど悪い笑顔で『それで合っているんですよ、頑張ってください』と言われた」と三浦さんも当時を懐かしむように語った。

本作の映像には、原作を何度も読み返した上での細かなアレンジが随所に施されている。その一つがシャワールームのシーン。原作から仕組みを変えた意図を、上野監督は「メイド衣装のふわっと広がったシルエットを崩したかった。濡らせば締まるので、今を生きている人間としてのシルエットを際立たせるために変更しました」と語った。濡らすことでシルエットを変える発想と、シャワーによる水位の上昇で命のリミットを設けるという二つの意図が組み合わさったアレンジということだった。

映像表現へのこだわりは画角の選択にも及んでいる。「デスゲームの中で結局みんな孤独なんだということを表現したかった」と語る上野監督は、TVシリーズでは珍しいシネマスコープを選択。普遍的な16:9の画角とは異なり、シネマスコープではバストショットで捉えるため、左右に大きな空間が生まれて一人一人の孤独が際立つのだ。
そんな上野監督のこだわりは、音響面でも貫かれている。幽鬼の内面表現として導入された二重ナレーション、「オッドモノローグ」もその一つだ。幽鬼のオッドアイにかけた名称で、「客観視する自分」と「今ここで生きている私」——その2つが共存するキャラクターの本質を音で体現する試みになっている。三浦さんはこの演技について「幽鬼って自分のことを『私』と言う時と『幽鬼』と言う時があって。『幽鬼』って言っている時は、自分から離れているんだろうなって感じながら演じていました」と語った。
また、顔の作画についてもフォーカスが当てられた。本作の作画には4段階の差分があり、最も簡略化された段階では表情が一切描かれない。敢えてそうすることで、デスゲーム中の不安感や孤独感を際立たせる意図があると上野監督は語った。そして4段階の中で最も精細な「S作画」では、撮影監督の近藤慎与さんが鉱石の顕微鏡写真を瞳に合成するという独自技術を開発。色彩設計の桂木今里さんが1枚ずつ確認するという工程を経て仕上げられている。「最初は大変だから、S作画の時は止めようね、動かないようにしようねって言っていたんですよ」と苦笑しながらも、第1話冒頭、幽鬼が初めて目を開けるシーンでは「つい動かしてしまった」と上野監督が明かした。

原作からのアレンジは映像表現だけにとどまらず、構成レベルにも及んでいた。原作第1巻には2つのゲームが収録されているが、アニメでは第2話に原作の2つ目のゲームをそのまま置かない構成が採用された。シリーズ構成の池田臨太郎さんと上野監督によるこの判断が、アニメ全体のリズムにどう作用したかは、全話が放送・配信された今、改めて確かめてみてほしい。
第1話をあらためて観る際のポイントとして、三浦さんは金子を背負って階段を下りるシーンからラストのモノローグまでの流れを挙げ、「客観視していた幽鬼の視点が、だんだん主観に移り変わっていく様を感じていただけたら」と述べた。上野監督は裸足で石造りの階段を下りる音に注目してほしいと語った。綿になるプレイヤーの身体にも我々と同じ肉が詰まっている、それがたった一音で表現されていると言う。音響効果の山田香織さんが映像を一つひとつ見ながら手作業で仕上げた音響へのこだわりが覗える。
最後に香山さんは「目を逸らしたくなるシーンもある作品なので、それぞれのペースで見ていただきたい」とコメント。上野監督は「デスゲームだから死を描くんだけど、我々が描きたいのは生。刹那的なものを撮っているんだけど、本当は永遠が描きたい。『とあるいかれた世界の話、だけど』という、その『だけど』を積み重ねて作っていきました」としつつ、「『それでも生きるんだ』という希望を、三浦さんと一緒に探してきました」と締めくくった。

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